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努力し続ける力

先日、NHKで、将棋の羽生善治さんと、チェスのカスパロフさんとの 2大巨頭 天才対談が放送されていました。
その中での印象的な二人の会話。
カスパロフ氏「才能のある子供は、すぐに分かる。そして、そんな子供は沢山います。」
羽生氏「そうなんですね。」
カスパロフ氏「でも、その時の才能が直接成功に結びつくわけではないんですよ。子供の時の才能が、そのままスクスクとみんな同じように伸びていくわけではない。」
羽生氏「それは、何の差なんでしょう?」
カスパロフ氏「その差は “努力し続ける力” です。これも才能なのかもしれないですね。チェスの才能に加えて、この才能を持ち合わせていなければ成功し得ないんです。そして、この才能を見極めるのは、極めて難しい。」
さて、ここで問題です。
なぜ「努力し続ける力」を見極めるのは難しいのでしょうか?
それは、「努力し続ける力」という才能は「子供から大人になるまでの間の本人の経験」に大いに左右されるからです。
そして、その “経験” が、後天的に彼らの “運命” をつくっていきます。
「子供から大人になるまでの経験」は、おまかに、2種類の人をつくります。
1. ちょうど良い苦労を与えられ、見事「努力し続ける力」「頑張る理由」を手に入れる人
2. はじめから楽な道が用意されていて、結局「努力し続ける力」「頑張る理由」を手に入れられない人
これが、「若いときの苦労は買ってでもせよ」と言われる所以なのですね。
人生はいつも順風満帆ではありません。逆風が吹きすさぶ時もあります。何か壁にぶつかった時、それに適した解決策をすぐに教えて貰える環境で育てば、解決策を見つけようと試行錯誤したり、苦悩したりする経験を積むことはないでしょう。それでは、自分の頭で考えて行動する姿勢がなおざりになります。
一度も転ばず、痛い思いをせずに、すぐに自転車に乗れる人はいません。水を飲んで苦しまずに、いきなり泳げる人はいません。何度も転んで、失敗を経験してこそはじめて、自転車を乗りこなせるようになるし、泳げるようにもなる。それは一見、遠回りのように見えて、遠回りではない。失敗は成功の母なのだから。
だから、成功に通じる信念というのは、失敗に直面した時にそれで心が折れるのを超越させてくれる。成功に通じる信念とは、自信ともいえる。自信というのは、苦労を経験するところからしか生まれてこないし、獲得することもできない。そして本当の自信というのは、周りの誰かに認めて貰うことから生じるものではなく、自らの内面から構築されていくものなのだ。その源泉こそが、生まれてからこれまで積み重ねてきた、その人自身が持つ “経験値” なのである。
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